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着物買取業者ランキング【おすすめ3選】

妖艶かつ優雅な味わいが
特長の岩手県南部紫根染

素材や柄に特徴をもつ織物は、数多くみられます。それがなければその織物とは呼べない、そんな伝統的工芸も少なくないことでしょう。ルールとしてもさることながら、昔ながらの風合いや歴史が感じられるため、作り手としても購入者としても、ぜひこだわりたいところです。そんな中、固有の色こそを特徴とした伝統織物というのは、そうみられません。

南部紫根染は、そこへきて色こそを特色とする珍しい存在となっています。岩手県南部地方に伝えられる工芸となっており、その名の通りあざやかな紫が欠かせない色合いとなっています。優雅であり、それでいて妖艶、高貴な印象は、着るものを気高い気分にさせてくれることうけあいでしょう。

単色が基本とはいえ、決して単純な工芸でもありません。それどころか、繊細な作業、そして長い月日を要するため、一般的な織物以上に手間暇かけられているとさえいえるでしょう。紫色のもととなっているのは、その名もムラサキの根です。だからこそ、南部紫根染と名付けられています。植物染だけに、自然でやさしい風合いに仕上がります。

ですが、いきなり生地にムラサキによる植物染を施すわけでもありません。まずは鮮やかに発色させるための媒染液を定着させるため、半年寝かせます。その後、型紙作りや文様の刷り込みをおこない、さらに針と糸を通して絞る作業が1年以上続き、ここではじめて染色に入ります。上質なものともなれば、寝かせに3~5年をかける場合もあるそうで、相当な手間暇がかけられています。

そんな南部紫根染は、岩手県にて古来より伝えられてきました。奈良時代には天皇や朝廷役人だけが身に着けられる、禁色として重宝されたそうです。南部紫根染ならではの優雅さは、そこにルーツがあるのでしょう。また特に盛り上がりを見せたのは南部藩政時代で、藩の手厚い保護下のもと、丁重に生み出され続けてきました。その後、一時衰退を経たものの、1916年の岩手県による再研究を経て復活を遂げ、今に至ります。

野草原料の染色が自然な風合いを
織りなす岩手県の南部紬

岩手県の南部紬は、名誉ある賞の受賞歴をも誇る県の代表的な織物製品です。一関市が主な産地となっており、土地柄を活かして作ったやさしい風合いは、紬の中でも人気を誇っています。

なぜやさしい風合いに仕上がるのか、それは岩手県に自生する野草をもちいた草木染であるためです。主には、クルミやキワダ、ハシバミの木といった素材を原料としており、淡い色味が特徴的です。また近年では、ムラサキ色が個性的なムラサキの根ももちいるようになってきています。素朴な素材による織物でありながら、幅広いバリエーションを楽しめるのが魅力といえるでしょう。

工程としては、真綿かけにはじまり、植物原料の処理や紡糸、染色などをおこなっていき、手間暇かけて染色や整経に繋げていきます。こうした丁寧な工程を経ることにより、風合いはやさしいながら、強靭で着崩れの少ないしっかりとした織物に仕上げられます。また手織り紬に分類されるため、織りの目が比較的粗く、温かみがあるという点も特長的です。見た目の印象のみならず、空気を多く含むことによる防寒の効果についても期待できるでしょう。寒さ厳しい時期も伴う東北岩手県において、欠かせない実用的織物でもあるのかもしれません。

素朴な色味であることから、近年ではあらゆる製品に役立てられています。反物はもちろん、ネクタイやアンサンブル、帯、さらには札入れ、名刺入れといった小物も注目を集めています。昭和62年、そして平成8年にはそれぞれ県産業まつり特産品コンクールで金賞を受賞するほどですので、満足度はお墨付きといったところです。

南部紬のおこりは、江戸時代といわれています。盛岡藩の振興策に伴い盛んに織られ、さらに戦後も県復興の象徴として作られ続けています。ですが残念ながら、近年ではそんな勢いも衰えてきているそうです。肝心の野草が消滅傾向にあり、工場が減少してしまったことから、現在では数名のみでの生産となっています。そんな貴重さも噛み締めながら、楽しんでみてはいかがでしょう。

シンプルながら上品な
光沢を伴う岩手県の南部千厩紬

南部千厩紬と書いて、「なんぶせんまやつむぎ」と読みます。これは岩手県一関市の千厩町に由来しているもので、古くから根付いていたことが窺えます。事実、千厩町は黄金と馬と絹の産地として昔から知られており、代表的な産物のひとつでした。現在においては、湯治から受け継がれる伝統をベースにしつつ、近代のセンスにあった製品も生み出すなど、新たな試みも取り入れつつ作られ続けています。

織物の特徴としては、まずひとつに落ち着いた風合いが挙げられます。茶や黒といった抑えめの自然の色合いが基本であるため、大人な印象が感じられてなりません。では地味なのかといえば、そうでもありません。あくまで、高級素材である絹からできた紬にほかなりません。抑えられた風合いでありながら、品のある光沢をまとった質感は、大人のハイセンスを感じさせます。これこそが、現代もなお好まれる理由といえるでしょう。

また、原糸の段階から制作するという点もポイントになっています。製糸工場で素材を生産し、それを精錬したのち、染色、綜絖通しなどを経て絹織物に仕上がっていきます。素材段階から妥協なく仕上げていくところは、さすが古くから伝わる伝統的工芸といったところでしょう。岩手県全体でも高く評価されており、多数の栄えある賞に輝いているほどです。

作られる製品については、昔ながらの袋名古屋帯から、現代的な天蚕ストール、そしてネクタイ、ショール、マフラーと幅広いです。伝統を受け継ぎつつも、時代に合わせた展開を忘れない、そんな柔軟さもまた、今なお作られ続ける理由でしょう。素朴ながら深みある色味は、きっと大人から若者まで手放せなくなることうけあいです。

南部千厩紬の歴史は、古く平泉文化から始まったといわれています。一時は途切れてしまった伝承でしたが、昭和51年に伝統と技術を受け継ぎ復活させて今にいたります。絹独自の締めやすさ、そしてしわになりにくさは、現代の実用品としてもまず遜色ないでしょう。注目しておいて、損はありません。

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